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2013 年度 実績報告書

強直性脊椎炎病因蛋白質HLA-B27の受容体LILRB2を介した発症機構の解明

公募研究

研究領域先端技術を駆使したHLA多型・進化・疾病に関する統合的研究
研究課題/領域番号 25133701
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

研究機関北海道大学

研究代表者

黒木 喜美子  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90553313)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードHLA-B27 / ホモ二量体 / 強直性脊椎炎 / 構造解析 / LILR
研究概要

本研究の目的は、B27が通常のHLAクラスIには見られない重鎖ホモダイマーとして細胞表面上に発現することに着目し、受容体との認識機構を解明し、創薬および治療へとつながる分子レベルでの解析を目指すことである。
本年度は、これまでに初期実験により比較的均一な粒子構造が観察されたB27重鎖ホモダイマーの電子顕微鏡像の解析を進めたが、粒子像のクラス分けが困難であり、未だ3D構造を得られていない。現在、ゲル濾過クロマトグラフィーによる精製のみ行ったサンプルで解析を進めているが、B27重鎖ホモダイマー蛋白質の調製条件などを検討する必要があると考えている。
また、近年B27重鎖ホモダイマー特異的受容体としてLILRB2以外にNK細胞上に発現するKIR3DL2が注目されてきている。KIR3DL2を介したシグナルはTh17制御にかかわっていると考えられているため、LILRB2とともに、KIR3DL2も含めた相互作用を解析できるよう、KIR3DL2蛋白質調製に向けた準備を行った。また、表面プラスモン共鳴法を用いた低分子化合物スクリーニング系の確立に向けて、DMSO入りのBufferでの連続アッセイを試みたが、現在良い系がまだ確立できていない。条件や手法の検討を来年度も継続して行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度内に電子顕微鏡解析による分子の全体構造を得ることを目標としていたが、解析を進める中で、分子像の解析が困難となっている。全体分子像を得ることによって、ホモダイマー形成の分子配向や、表面に露出した部位を推定できることによって受容体結合部位同定に向けて重要な情報を得ることができるため、来年度も継続して解析を進める予定である。また、同時に、受容体としてLILRB2に加え新たにKIR3DL2を対象とした解析を研究内容に加え、分子間相互作用解析、相互作用を制御する低分子化合物のスクリーニングへと繋げる予定である。KIR3DL2については、発現コンストラクトを完成させ、初期実験によりタンパク発現を確認することができているため、解析を行うことが十分可能であると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、本年度に引き続き電子顕微鏡解析による構造解析を進めるとともに、来年度の研究計画に挙げていた受容体とのシグナル制御可能な低分子化合物スクリーニングを行う予定である。B27重鎖ホモダイマータンパク質の性質上時間のかかる表面プラスモン共鳴法によるスクリーニングの系は本年度中に確立できなかったが、当研究室は多様な手法でのスクリーニングの系を他のタンパク質で用いているため、適した手法を探索していく。また、強直性脊椎炎の病態と関連の深いKIR3DL2を介するB27重鎖ホモダイマーシグナルの寄与の解明・制御を目指し、タンパク質レベルでの解析を進める。

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公開日: 2015-05-28  

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