公募研究
p53結合モチーフ認識アルゴリズムを利用して,全ヒトゲノム配列探索により約64万のp53モチーフを同定した。アデノウイルスベクターでp53を発現させた肺がん細胞H1299における次世代シーケンサーを用いたクロマチン免疫沈降解析(ChIP-seq)によるピークと重複するものが20.0%であった。その内約半数は遺伝子間に存在することから,遺伝子介在性非コードRNA (lincRNA) がp53の標的となっている可能性が高いと考えられた。データベースに登録されている約14,000のヒト lincRNA のうち,その上下流10kbにp53モチーフと重複するChIP-seqピークを持つlincRNAを抽出した。qRT-PCRにより発現解析を行ったところ,23個のlincRNAがp53によって転写誘導されることを確認した。さらに機能的解析により,このうち特定のp53標的lincRNAの発現抑制がp53関連アポトーシス誘導を調整したり,特定の遺伝子群の発現を促進したりする結果を得ることができた。この結果は,腫瘍抑制を含めた多様な生理的機能においてp53とlincRNAが複雑な転写ネットワークを形成していることを示唆している。今後はこのようなp53の基礎的研究から新たな診断法やがん治療開発への臨床応用につながる研究をめざしたい。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Oncotarget
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http://web.sapmed.ac.jp/canmol/paper.html