研究領域 | システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 |
研究課題/領域番号 |
25134717
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
中川 英刀 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, チームリーダー (50361621)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | トランスクリプトーム / 非コード領域 |
研究概要 |
本研究では、ストランド(転写方向)を加味したトランスクリプトーム解析Directional RNA-Seqを肝癌の臨床サンプルについて遂行し、lncRNAを含む肝癌トランスクリプトームの包括的プロファイルを構築する。そして、研究代表者が推進してきた肝癌の全ゲノムシークエンス(WGS)により明らかになった非コード領域を含むゲノム変異情報と統合おぽび比較解析することにより、非コード領域に焦点を絞ったがんのシステム異常の解明を図ることを目的とする。 今年度、全ゲノムシークエンスを行った270例の肝癌のうち、質の高いRNAが抽出できた約200例の肝癌組織およびその非癌部肝臓のRNA-Seqを終了した。 解析方法の構築のため、20例のB型肝炎関連の肝がんについて、WGSとRNA-Seqの統合・比較解析を行い、RNA splicingに影響のある体細胞変異、融合遺伝子を作り出す構造異常、ウイルスとの融合転写産物を作りだすHBVゲノムの挿入を多数同定した。 この解析方法を今後、200例以上の肝がんのWGSとRNA-Seqとの統合解析に応用していく予定である。 また、WGSで同定した非コード領域の変異とトランスクリプトームとの関連解析を現在行っており、癌特異的に発現するanti-sense trascriptを多数同定してきている。さらには、肝臓に特異的に大量に発現するmiRNAの周辺に体細胞変異が集積していることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ量がきわめて多く、データ解析を行うための人材とコンピューターリソースがやや不足している。
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今後の研究の推進方策 |
データ量が多いため、WGSにて体細胞変異が集積する非コード領域部分のトランスクリプトームへの影響の検討について、集中して解析を行っていく。
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