希少がんであり難治がんであるファーター乳頭部がんを研究対象とした。希少であることから、本邦6施設と米国・ジョンズホプキンス大学から研究試料を収集した。全施設の研究倫理審査委員会の承認を得た後に研究を開始した。 Discovery setとして60症例を全エクソン・シークエンス解析とコピー数解析(CGHアレイ)を行った。全エクソン解析はSureSelct-Illuminaプラットホームを用いて行った。全エクソン解析の結果、高頻度の変異が検出された92遺伝子をがん関連候補遺伝子として抽出した。 Validation setとして、日米の172例のファーター乳頭部がんを研究対象とし、92遺伝子のTargeted deep sequencingを行った。Targeted deep sequencingは、HaloPlex-Illuminaプラットホームを用いて行った。さらに全例で、CDX2、MUC2、MUC1とCK20の市販の抗体を用いて、免疫組織化学染色を行い、Intestinal typeとPancreatobiliary typeに亜分類を行った。 上記の解析の結果、Intestinal typeは大腸がんに類似した遺伝子異常、Pancreatobiliary typeは膵臓がんに類似した遺伝子異常のパターンを示した。 並行して、非ファーター乳頭部十二指腸がんの網羅的遺伝子解析も行い。ファーター乳頭部がんと比較検討した。
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