研究領域 | システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 |
研究課題/領域番号 |
25134720
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
柴田 龍弘 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (90311414)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 非コードRNA |
研究概要 |
1. Long non-coding RNA (lncRNA)プロファイルの同定並びに全長cDNA捕捉用プローブの作成:肝臓がんを例として、発現しているlncRNAのプロファイルを明らかにするために、複数例の臨床検体について全トランスクリプトーム解読を行ない、肝がん組織で発現しているlncRNAの検出を進めた。Coding RNAに比較して、lncRNAの発現量は総じて低いため、追加のランを行い、より包括的なlncRNAプロファイル作成を進める。同時に得られたデータを基にlncRNAcDNAを捕捉するプローブの設計を行なった。 2. 第2並びに第3世代シークエンス技術融合を用いたlncRNAシークエンス並びにその情報解析技術開発:ストランド(センス・アンチセンス鎖)の情報を含めて、第2世代シークエンサーによる短い(~200bp)RNA配列情報からlncRNAのストランド別発現量の計測を行う手法の開発を行なった。同時に、第2世代の短鎖情報を用いて第3世代シークエンスによる長鎖データのエラーを修正する手法を実装した。 3. 全ゲノム変異解読データとの統合解析による新たながん関連lncRNAの同定:全ゲノムあるいはlncRNA領域の濃縮によるtarget sequencingによって、肝がん400症例におけるlncRNA領域の変異データを取得した。これらのデータから、複数症例でゲノム異常を来すlncRNAの同定を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
lncRNAのプロファイルに必要な全RNAシークエンス並びに統合解析のための全ゲノム・全エクソン解読など必要なデータの取得を終了した。また第3世代シークエンサーの情報解析のためのアルゴリズムの実装を終了し、平成26年度は取得したゲノム情報を基に、新たながん関連lncRNAの同定やがんゲノム変異頻度との関連について検討を開始できる状態である。
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今後の研究の推進方策 |
1. Long non-coding RNA (lncRNA)全長プロファイルの同定:継続して全RNA解読データの解析から、全長cDNAプロファイルの取得を進める。 2. 第2並びに第3世代シークエンス技術融合を用いたlncRNAシークエンス並びにその情報解析技術開発:2つの異なったシークエンス技術融合による長鎖発現データの取得を試みる。 3. 全ゲノム変異解読データとの統合解析:全ゲノム解読データとの統合解析によって、新規がん関連lncRNAの同定や、がんゲノム変異頻度との関連等について解析を進める。
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