研究領域 | システム的統合理解に基づくがんの先端的診断、治療、予防法の開発 |
研究課題/領域番号 |
25134721
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 独立行政法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
加藤 護 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (40391916)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 一細胞シークエンス / 次世代シークエンサー / がんゲノム / バイオインフォマティクス / 抗がん剤耐性 |
研究概要 |
本年度の達成目標は、細胞株を使ったシングルセル・シークエンスの技術確認である。まずは予定通り、HCC78 株から抗がん剤Crizotinib 耐性の子株を得た。子株6株に対し、バルクセル・シークエンスと数細胞のシングルセル・シークエンスを行った。シングルセル・シークエンスの過程では、micro-manipulation による細胞分離と、全ゲノム増幅の工程を経ている。それらシークエンスのデータをバイオインフォマティクス的手法により情報処理し、バルクセル・シークエンスに比したシングルセル・シークエンスの性質を調べた。これらの工程を通し、シングルセル・シークエンスの技術確認が出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、抗がん剤耐性株を得、バルクセルおよびシングルセルでシークエンスをし、バルクセル・シークエンスに比べたシングルセル・シークエンスの性質を調べ、情報処理を行い、技術確認を完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今回の技術確認を通して、変異同定の精度を上げるためにはバイオインフォマティクス・パイプラインのチューニングが必要なことが分かった。現在さらなる実験を通して、そのチューニングを行っている。また今回の技術確認を通して、細胞の分離工程が技術上極めて重要なステップであることが分かった。一細胞シークエンスの場合、臨床サンプルは凍結などで保存できず、即座に細胞を分離しなければならない。この意味でも細胞分離は重要である。これらに関し、より効率的かつ高精度に細胞を分離する機器が当研究所に導入されたため、micro-manipulation ではなく、その機器を試す。これによって本年度の目標である臨床サンプルでの一細胞シークエンスが実現できると期待される。
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