研究領域 | 質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 |
研究課題/領域番号 |
25135725
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長原 一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (80362648)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ライトフィールド / 質感認知 / 質感識別 |
研究概要 |
本研究では,ライトフィールド(LF) 画像から視覚的に物体の材質や質感を定量的に記述する手法の提案を目的としている.従来の材質認識では,単一画像からの認識には精度的に限界があったり,BRDF など反射率を計測する方法ではラボ環境などで時間をかけて計測する必要があった.本研究で用いるLFカメラは,ワンッショットで簡便に計測できるため,より幅広い応用に適用できる.また,提案する質感特徴量と被験者実験による主観評価との関係を明かにすることで,人の認知を反映した特徴量へと拡張する.これにより,提案する質感特徴量を質感自動認識のような工学応用はもとより,脳科学や認知科学の実験で用いられる刺激画像の合成や評価に用いることができ,同領域のB01 やC01 班にも貢献できる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物体の反射率であるBRDFは,CGや物体の材質認識に用いられてきた.しかしながら,BRDFは4次元の高次元情報であり,その取得には莫大なコストと計測時間がかかることが問題であった.本年度の研究では,この問題を解決するために,BRDFデータの冗長性を特定して最適なBRDFサンプリングを検討した.具体的には,DSBRDFと呼ばれるBRDF近似モデルを用いて,実際のBRDFを少ないパラメータでフィッティングした.さらには,このモデルで実際のBRDFと遜色ないBRDFを再現するために,どのぐらいのサンプリング点が必要であるかを検討した.その結果,それらのサンプルを効率的に撮像するためのサンプリングモデルを検討し,示した.
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の研究において,DSBRDFモデルを用いてBRDFをモデル近似し,どのサンプリングがユニークでどのサンプリングが冗長であるかと言うことを検討した.また,BRDFを効率的に表現できるサンプリングを特定し,効率的なBRDFの撮像手法を検討した. 次年度では,このデータサンプリングを効率的に実現するカメラシステムの構築を目指す. また,このカメラシステムで撮影したDSBRDFモデルのモデルパラメータと物体の材質や質感の関係を明らかにする.具体的には,学習的識別手法を用いてモデルパラメータから物体を自動認識する手法を検討する.最終的に,ワンショットで撮影したDSBRDFモデルを用いて,画像から物体の材質や質感を識別できるシステムを構築する.
|