研究領域 | 質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 |
研究課題/領域番号 |
25135726
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
土居 裕和 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40437827)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肌 / 質感 / 顔 |
研究概要 |
近年の皮フ医学・進化生物学研究により、ヒトを含む哺乳類が、異性個体の肌の視覚像から得られる主観的印象=「肌質感」の魅力に基づいて配偶者選択を行っている可能性が示唆されている。そこで、本研究は、肌画像データベース構築・生物学的因子計測・脳機能活動計測を併用した学際的アプローチにより、肌質感に基づく異性魅力評価メカニズムを解明することを目的とする。 本年度は、成人男女各30名を対象に、専用装置による肌画像撮影、生体サンプル採取(唾液、口腔内粘膜)を実施し、肌画像データベース構築、および、肌質特徴料と生体指標の関連性分析に取り組んだ。具体的には、専用装置を用い顔の皮フにおけるヘモグロビン・メラトニン色素分布画像を撮影した。各色素画像から、顔特徴点を基準に切り出した一定領域の肌画像テクスチャーを分析することで、各被験者の肌特徴量を定量化した。分析の結果、ヘモグロビン・メラトニン色素分布の均一性に有意な性差が見出されたが、唾液中テストステロンレベルと肌特徴量との間に有意な関連性は見られなかった。今後はモデル数を増やすことで、データベースを充実化させるとともに、性腺ホルモン関連遺伝子多型・唾液中ホルモン等、今年度分析が終了しなかった生物学的因子と肌特徴との関連性についても解析を勧めていく。さらに、同データベースに含まれる顔画像に対し、独立成分分析による色素分離技術を用いることで、次年度の非侵襲的脳機能計測実験に使用する刺激画像を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肌画像分析、生体試料採取は概ね順調に進展している。また、非侵襲脳機能計測用の刺激作成は当初予定よりも早く進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、肌画像データベースのモデルを追加すると同時に、本年度は解析できなかった生体指標を分析することで、同データベースの充実化を図る。さらに、本年度作成したデータベースを用いて脳機能計測実験を実施する。
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