研究領域 | 質感認知の脳神経メカニズムと高度質感情報処理技術の融合的研究 |
研究課題/領域番号 |
25135733
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
西村 幸男 生理学研究所, 発達生理学研究系, 准教授 (20390693)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 手触り / 多次元生体信号 / DRG / 体性感覚 |
研究概要 |
平成25年度は、目標であった覚醒行動下のサルよりDRGニューロン群活動とECoG電極による多チャンネル皮質脳波の同時記録に1頭のサルで成功した。それに加え、上肢の運動軌跡と16の筋肉の筋活動の同時記録に成功した。 記録されたDRGニューロンには筋紡錘、手や腕に受容野を持つ皮膚感覚ニューロンが含まれていた。そのDRGニューロン活動から、指、手首、肘、肩の運動キネマティクス(関節角度及び角速度変化)をスパースロジスティック解析を用いて、高精度に推定することに成功した。また、運動キネマティクスからDRGニューロンの発火パターンを推定することにも成功した。この結果から、体性感覚一次ニューロンであるDRGニューロン群活動には指を含む上肢の精密は運動情報有することが明らかになった。この成果は論文として投稿し、査読中である。 体性感覚一次ニューロンであるDRGニューロン群活動が大脳皮質体性感覚野との関係を検討する目的で、DRGニューロン群活動とECoG電極から記録された大脳皮質体性感覚野の活動を推定したところ、DRGニューロン群活動から40-200Hz(高γ帯域)のECoG信号は精度良く推定に成功したが、10-40Hz(αからγ帯域)のECoG信号の推定精度が低かった。この結果はDRGニューロン群活動は大脳皮質体性感覚野へ伝えられ、高γ帯域活動として表現されていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2頭のサルで覚醒行動下のサルよりDRGニューロン群活動とECoG電極による多チャンネル皮質脳波の同時記録をする計画であったが、1頭でのみしかできなかったしかしながら、2頭目サルのトレーニングは修了し、26年度には達成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
アクティブタッチによる手触りの質感認知には、手と物体の接触面を能動的に動かすことにより、物体表面の情報をより得ようとする。これは、体性感覚主導ではなく、身体運動を起こす運動関連領野からのトップダウン信号が末梢感覚情報を積極的に作り出していると考えられる。今回の申請では、体性感覚一次ニューロンであるDRGニューロン群と大脳皮質運動関連領野を含む広域な大脳皮質領域からの皮質脳波の同時記録によって得られたデータから、アクティブタッチによる手触りによる物体質感情報の流れをGranger Causality解析を用いて明らかにする。
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