研究領域 | 法と人間科学 |
研究課題/領域番号 |
26101710
|
研究機関 | 徳山大学 |
研究代表者 |
羽渕 由子 徳山大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70435767)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 日本語教育 / 法と心理学 / 外国人留学生 / 面接法 / 実験系心理学 / 目撃証言 / 供述 / 会話能力 |
研究実績の概要 |
外国人留学生が事故や事件の被害者あるいは目撃者となった場合、日本語を母語としない彼らから、いかに正確にかつ詳細に情報を得るかは、事故・事件を解決する上でも、将来の事故・事件を予防する上でも重要な課題である。外国人留学生から正確で詳細な情報を得るためには、彼らの報告の特徴を明らかにし、面接の方法を確立することが重要である。 本研究は、次の2つの研究課題(研究1:留学生が日本語でおこなう出来事の報告の特徴を明らかにする;研究2:面接の方法が留学生の報告内容に及ぼす影響を明らかにする)を設定し、留学生に対するより適切な面接の方法やことばに関するガイドラインを提案することを目指している。 初年度は、課題遂行のために以下の3点に焦点を当てて活動を行った。 (1)先行研究調査:外国人の目撃証言に関する研究、言語報告に支障がある者に対する面接や面接法についての情報収集。 (2)調査準備・調査の実施:調査用に素材を組み合わせて映像を加工・編集。調査協力者を募集し、比較する母語話者群について日本人大学生を対象としてデータを取得。 (3)データのコード化およびその分析と考察:子どもを対象とした“司法面接プロトコル”で使用されている語彙と、“やさしい日本語(生活者のための日本語)”の難易度を比較し、語彙面について適用可能性を検討。また、これまでに取得した留学生データ(初級・中級)と日本人のデータを再分析し、特徴を比較。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査・実験の開始が大学の長期休暇と重なり、調査対象留学生の多くが帰国してしまったため、調査の一部を次年度に繰り下げた。新年度開始と同時に調査を再開する。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度は、以下の方策に従って研究を推進する。 1)実験調査+データのコード化およびその分析と考察(4月-8月):実験調査をおこないながらデータをコード化する。 2)留学生に対する面接ガイドラインの作成(9月-10月):留学生の会話能力別の特徴をもとに、面接で使用する語彙、文法項目などをまとめる。また、面接の手順や、質問のしかたについてまとめ、ガイドラインの素案を作成する。 3)作成したガイドラインに基づく面接の効果の調査(11月-1月):作成したガイドラインに基づいて、調整された面接方法で実験をおこない、結果を比較して、有効性について検討する。 同時に、外国人留学生向けのガイドラインについて、有識者、関係者に評価を依頼する。 4)研究成果の公開準備(2月-3月):得られたフィードバックを反映し、ガイドラインを修正して公表・配布する。
|