研究領域 | 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現 |
研究課題/領域番号 |
26102507
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
研究代表者 |
飯野 亮太 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (70403003)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 分子モーター / 1分子計測 |
研究実績の概要 |
F1-ATPaseの固定子α3β3リングに二重鎖DNAを差し込み、DNA-F1複合体を形成することに成功した。負電荷を持つDNAをα3β3リングと静電的に相互作用させるため、正電荷を持つアルギニン残基を穴の内部と入り口に多数導入した。導入した二重鎖DNAの末端はあらかじめチオール修飾し、システイン残基を導入したαサブユニットと単結合で共有結合させることで抜けないようにした。また、二重鎖DNAの逆の末端には回転可視化プローブの金ナノロッドを結合させるためビオチンを導入した。DNA-F1複合体の形成は高速AFM観察や電気泳動、分光計測で確認した。固定子α3β3リングをHisタグを介してガラス基板に固定し、導入した二重鎖DNAに結合させた金ナノロッドをレーザー暗視野顕微鏡を用いたデフォーカス像により観察した。ATP存在下で、いくつかの金ナノロッドが一方向に大きくバイアスがかかった回転ブラウン運動をみせる様子を観察することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
F1-ATPaseの固定子α3β3リングと二重鎖DNAの複合体の形成に成功し、金ナノロッドをプローブに用いた一方向性の回転ブラウン運動の観察に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
DNA-F1複合体の回転運動の発見頻度の改善を試みる。また、一方向性の効率の改善も試みる。また、非天然アミノ酸を導入したF1-ATPaseの創生と1分子計測による特性解析を行う。
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