本研究は、タンパク質のアロステリック構造転移の転移経路と自由エネルギーランドスケープを計算する新しい方法を開発し、その成果をタンパク質間相互作用のシステム生物学と結び付け、分子から細胞機能への融合分野を開拓することを目的としている。このため、27年度は以下のテーマに取り組んだ。 その1つは、タンパク質アロステリック転移を表現する自己無撞着な粗視化モデル(カメレオンモデル)の開発である。カメレオンモデルをNtrCに適用し、遷移状態で構造の乱れがおきる様子を計算で示した。 もう1つは、KaiABC系の1分子レベルのモデルである。27年度に明らかになった、生化学的実験データ、原子間力顕微鏡観測データ、構造データをもとに26年度までに構築した1分子モデルを再検討し、合理的なモデルに向けて整備を行った。
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