研究領域 | 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現 |
研究課題/領域番号 |
26102550
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設) |
研究代表者 |
奥村 久士 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 計算科学研究センター, 准教授 (80360337)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アミロイド線維 / 分子動力学 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病などの神経変性疾患はアミロイドベータ(Aβ)ペプチドなどが異常凝集してアミロイド線維を形成することが原因で発症すると考えられている。この異常凝集は神経系に豊富に存在する糖脂質GM1ガングリオシドクラスター上でAβペプチドが会合することで起きると報告されている。これまで糖脂質クラスターを舞台とするAβペプチドの凝集機構の解明は実験研究が先行して進められてきた。一方、理論的な試みについては、バルクな水中での研究は数多くあるものの、糖鎖/脂質界面での研究はない。 そこで我々は糖鎖/脂質界面をモデル化した親水性/疎水性溶液界面でAβペプチドがダイナミックに離合集散する過程のシミュレーションを行い、Aβペプチドが自律的に集合する物理化学的メカニズムを理論的に解明する。 今年度は親水性/疎水性溶液界面に2次構造のない状態のAβペプチド1本を配置した系を初期条件として分子動力学シミュレーションを行い、どのような構造になるか調べた。その結果、実験でαへリックスをとると知られているところでシミュレーションでもαへリックス構造を取ることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
親水性/疎水性溶液界面に2次構造のない状態のAβペプチド1本を配置した系のシミュレーションを実施できたので、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は親水性/疎水性溶液界面にAβペプチド2本を配置した系のシミュレーションを行い、どのような構造を取るか調べる。
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