公募研究
(1)ACRの標的分子同定と癌細胞選択的細胞死誘導経路の解明:ACR処理ヒト肝癌細胞/正常肝細胞の遺伝子発現プロファイル比較から、癌遺伝子MYCNが肝癌細胞でのみ発現されACR処理で抑制される標的バイオマーカーであることを動物モデルや臨床検体で確認。ア)CE/LC-TOFMSを用いたin vivoメタボローム解析により、肝発癌のイニシエーション段階ではグルコース代謝異常が見られず、脂質代謝が亢進し、ACRが炎症前駆物質アラキドン酸等脂質の合成を阻害すること、イ)活性発現に大事なCOOH基とは反対側にアミノ基を導入したACRアミノ化誘導体(和田教授[神戸薬科大]との共同研究により合成)を固定した半田ビーズ「FG beads」を用いて、ACRが濃度依存的にTG2と結合、その結合は遊離型ACR添加により阻害されること、ウ)GST プルダウン法やPLA法を用いてACRがTG2と核内輸送タンパク質importin-βと結合を促進すること、を確認。(2)食物中に含まれる同様の活性を示す化合物の同定と解析:側鎖末端にカルボン酸基を導入しイソプレノイド構造を有するビタミンK2(VK2)誘導体に、正常肝細胞には影響を与えず、肝細胞癌細胞の増殖を抑制するカスパーゼ/ TG2関連シグナル伝達経路の関与を認めた。(3)TGF-β活性化反応を標的とした病的組織線維化抑制剤スクリーニングとヒット化合物の構造生物学的研究:ヒット化合物CMR#46LAPとLAPの共結晶解析を行ったが解像度は上がらず、結合部位の同定はできなかった。肝ミクロソームを用いた代謝試験ではCMR#46は早期に加水分解されてグルクロン酸に抱合された。(4)TG2核局在を標的とした病的細胞死制御剤の化合物スクリーニングと標的分子同定:ヒット化合物フェノサフラニンがACRによるTG2の核移行を阻害することを共焦点顕微鏡で確認。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)
Cancer Prevention Res.
巻: 9(3) ページ: 205-214
10.1158/1940-6207.CAPR-15-0326.
Fibrogenesis Tissue Repair
巻: 61 ページ: 285-290
10.3177/jnsv.61.285.
Science
巻: 347(6255) ページ: 1010-1014
10.1126/science.1259418.
Plos One
巻: 10(3) ページ: e0121528
10.1371/journal.pone.0121528.
J. Biol. Chem.
巻: 290(9) ページ: 5673-5684
10.1074/jbc.M114.602540.