本研究の目的は、太陽系外惑星の可視・近赤外線6バンド同時トランジット観測を可能にする多色カメラを開発し、系外惑星の大気組成を研究することである。このカメラの近赤外カメラ部分は、すでにIRSF1.4m望遠鏡用の近赤外線3バンド同時カメラSIRIUSがあるので、これをそのまま利用し、可視光カメラ部分を開発する。そのため、開発期間の短縮とコストの大幅な削減ができる。一方で、既存の観測装置に組み込むことによる別の制約も発生する。SIRIUSと望遠鏡の間には12cmの隙間しかないため、この空間に収まる可視光多色カメラが必要となることである。今年度はこのスペースに収まるCCDカメラモジュールの開発を行った。 当初、使用予定であったCCD検出器読み出し回路に不具合がある可能性が発覚しため、読み出し回路の再設計・製作が必要となった。このため、研究費の繰り越しを行い、平成27年度にCCD読み出し回路を作り直した。作り直した読み出し回路は正しく動作し、また、それを用いて、高さ12㎝の空間に収まるCCDカメラモジュールを製作することができた。 以降について、平成27年度の報告書に記す。
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