研究実績の概要 |
1.本年度はフォボロドプシンがトランスデューサーと相互作用して機能発現するために重要なTyr174とTyr199に関して、細胞膜に再構成したフォボロドプシンのそれらTyrの13Czeta-OHの化学シフト値を決定することに成功した。T204A変異体と比較したところ、Tyr174の水素結合環境が大きく変化していることが明らかとなった。また、温度によって、この信号強度が顕著に変化することがわかった。Tyr199はトランスデューサーとの相互作用によって、NMR信号が大きくシフトすることを観測した。これらはいずれも水素結合の変化によってNMR信号の変化が誘起されているため、現在この解釈を解析している。この成果を学会発表し、研究協力者がポスター賞を受賞するなど高い評価を受けた。 2.マイクロ波照射型NMRの開発に成功し、液晶分子のマイクロ波に対するユニークな挙動を観測することに成功した。( Y. Tasei, et al. (2015) JMR, Y. Tasei, et al. (2015) PCCP) 3.Dアミノ酸残基を含む抗菌ペプチドの細胞膜内分子間相互作用を調べるために、架橋実験や31P NMRを駆使した実験を行った。この成果を学会発表し、研究協力者がポスター賞を受賞するなど高い評価を受けた。 4.本新学術領域研究において、柔らかな分子系を理解するために領域内の共同研究も遂行した。
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