公募研究
微視的な「真空」および巨視的な「時空」の理解に加えて、準巨視的な真空構造の解明を目指し、2色のレーザー光1ωとuω(uは0<u<1となる非整数値)を真空中で集光し、暗黒エネルギーや暗黒物質源と成り得るsub-eV中性ボゾンの交換により1ω+1ω→共鳴→uω+(2-u)ωという波長シフト(真空内四光波混合)を誘導する。(2-u)ω光子が探索すべき信号光となるが、未知場起因の四光波混合の背景事象して、原子起因の四光波混合が予期される。この背景光の分離を目指して、本研究では原子起因四光波混合光の生成量を、実測定環境において定量化することを主目的とした。原子起因の背景光は、A)光学素子起因、B)残留ガス起因に大別される。物質毎に四光波混合光生成量を見積もるための3次の分極係数χ(3)のデータは存在するものの、偏光状態を指定して、原子起因の信号量を敢えて抑制した条件下での係数の実測値は存在しておらず、実測定環境で定量化するのが最短の道である。A)については、集光直前に信号光波長をカットすることにより背景光を抑制できることを確かめた。その上で、真空容器内圧力の関数として原子起因四光波光の圧力依存性を定量化しスケーリング曲線を実測により得た。その結果は、比較的弱いレーザー場による探索結果の一部として出版した。さらに、より高強度のレーザー場による探索へ向け、大口径ビームの入出射を可能とし、平行・集光伝播切り替え機構を内包できる探索用真空容器を製作し主光学系へ導入し、現状の最高到達真空度における残存原子種を質量分析器により明らかにすることに成功した。しかし、連携研究者が運用するシステムにおける最高レーザー強度による探索は、到達真空度が未だ十分ではないため、各種残余原子からの背景光を十分には抑制できないという結果に至った。これらの結果を踏まえ次期に導入する適切な真空系の見通しが立った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
Prog. Theor. Exp. Phys. 2015, 073C01
巻: なし ページ: 073C01
10.1093/ptep/ptv101
http://www.eli-np.ro
https://portail.polytechnique.edu/izest/en