公募研究
H26年度は提案通り、ニュートリノ混合角のアナーキーという考え方を混合角だけでなく固有値にも進めるため、まずはランダム行列の一般論に考察を加え、混合角のアナーキーと、各行列要素が独立であることを要求すると、各行列要素は正規分布にならなくてはいけないことを証明した。これを右巻きニュートリノに若干の階層性を生むようにU(1)のフレーバー対称性と組み合わせることで、模型依存性がほとんどない統計解析を可能にした。その結果宇宙のバリオン非対称性は非常によく説明できること、一方残念ながら加速器ニュートリノ実験で探索できるCPの破れとは独立であること、そしてニュートリノのマヨラナ性を検出することは現在ではかなり難しく、次々世代の実験を待つ必要があること、がわかった。この研究の副産物として、ランダム行列での固有値の分布をファインマン・ダイアグラムを用いて導く方法を開発し、現在投稿中である。また、実験研究でもKamLAND実験から、太陽ニュートリノでの7Beが電子捕獲をして発生する放出線と捉え、発表した。
2: おおむね順調に進展している
研究実績の概要で述べた通り、提案通りに研究を執行できた。
申請通り、H27年度は陽子崩壊について考察する。H26年度に発見したアナーキー理論の固有値への拡張と、同年度に別の研究で発見した新しい超対称性の破れの伝達機構を結びつけ、今後陽子崩壊の探索での寿命と分岐比を研究していく。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 10件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 12件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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http://physics.berkeley.edu/people/faculty/hitoshi-murayama