研究領域 | ニュートリノフロンティアの融合と進化 |
研究課題/領域番号 |
26105518
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
栗本 佳典 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (70597559)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 陽子シンクロトロン / 光学測定 / ベータ関数 / ベータトロン振動 / FPGA |
研究実績の概要 |
平成26年度はシンクロトロン加速器における加速途中のベータ関数を測定するための、ベータトロン振動励起装置の開発、製作を完了させることができた。具体的には、任意のタイミング、周波数、振幅で振動波形を生成するための、FPGAボードおよびそこに搭載するソフトウェアの開発、実装、評価を行った。さらにFPGAから出力されたデジタル値を高周波アンプ入力にするためのD/A変換基板、および励起された振動を測定するためのA/D変換基板を購入し、FPGAボートと組み合わせ、ベータトロン振動励起装置全体の試験をパルスジェネレーターによる疑似信号を用いて行い、装置の開発を完了させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初目標にしていた、ベータトロン振動振幅励起装置の開発が完了したため。 また、平成27年現在、大強度陽子シンクロトロン加速器であるJ-PARC MRでは、加速開始直後のビームロスが全ビームロス中で最大のウェイトを占め、加速途中のベータ関数の設計値からのずれを測定することが最優先となっている状況である。したがって、本装置を用いたビーム試験のために、J-PARC MRのビームタイムは十分確保される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、開発したベータトロン振動振幅装置を用いてビーム試験を行う。使用するビームはJ-PARC MRである。ビーム試験により実際の加速途中のベータ関数を全周で測定する。現状のビームロスから考えると、加速途中でベータ関数は理想値からずれていると予想されるため、そのずれから主電磁石の電流指令値の補正を行う。この仮定を繰り返し、大強度陽子シンクロトロンにおける加速途中の光学補正手法を確立し、その結果を学会や論文で報告する。 さらに、リアルタイム光学測定に向けて基礎的研究も進める。具体的には、ベータトロン振動成分のみを高いシグナルーノイズ比で抽出するアナログ読み出し回路の開発を行う。
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