研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
26105709
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金井 求 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20243264)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ホウ素触媒 / カルボン酸 / アルドール反応 / Mannich反応 / 触媒的不斉反応 / 官能基選択性 |
研究実績の概要 |
有機触媒との共有結合形成を介したカルボン酸の求核的活性化と触媒的不斉炭素骨格構築反応の開発を通じて、カルボキシ基を起点とする官能基選択的分子変換を実現する方法論の創製を目的とする。酸性官能基を認識し活性化する触媒の特性を利用した本方法論は、カルボン酸選択的α位官能基化反応へと一般的に拡張可能であり、保護・脱保護に依存した従来の医薬合成とは一線を画する革新的分子構造変換法へと将来的に展開できると期待している。触媒制御による官能基選択性や立体選択性を活用して、多官能基性医薬分子や生物活性天然物のカルボン酸部位選択的直接的誘導化法の確立、更には本触媒法を基盤とした次世代医薬機能最適化法の提案を狙う。 本年度は、ホウ素化合物を用いた有機塩基によるカルボン酸のエノラート化、およびこれを求核剤とするアルドール反応やMannich反応の開発に成功した。特にMannich反応では、不斉触媒化も実現した。また、ペプチドや医薬分子と言った多官能基性分子に対しても、カルボン酸が選択的にエノレート化され、カルボン酸部位から炭素骨格を伸ばして行くことが可能であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
世界初のカルボン酸を出発部位とする触媒的不斉炭素骨格構築反応に成功しているため。あと一年で、多大なる進展が見込める。
|
今後の研究の推進方策 |
保護基の使用を最小限に抑えた医薬合成等の基盤技術へと発展させる。
|