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2015 年度 実績報告書

新しい電子移動パラダイムに基づく有機光レドックス触媒の開発

公募研究

研究領域有機分子触媒による未来型分子変換
研究課題/領域番号 26105713
研究機関東京工業大学

研究代表者

小西 玄一  東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20324246)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード光触媒 / 有機触媒 / 電子移動
研究実績の概要

プロセス化学に資する新しい光増感剤の分子設計
最近、LED光源を用いた光反応の研究が増えてきている。高圧水銀灯やキセノンランプと違って、赤外線を発しないため熱の問題が少ないこと、エネルギーを高効率に利用できること、低波長の紫外線カットが不要で安全であることなど利点が多く、プロセス化学の切り札として期待されている。現在、市販されている代表的な光源は、405 nmや450 nmをはじめとする可視領域と365 nmおよび385 nmである。しかし、LEDは発光半値幅が狭いため、一般によく使われる増感剤である多環芳香族炭化水素の吸収帯とLEDの発光波長が一致しない場合が多く、その利用には限界がある。
さて、我々はピレンの1,3,6,8位にアルキル基を導入したテトラブチルピレン(TBPy)の吸収がピレンλmax = 320 nmに比べて40 nm以上レッドシフトしていることを報告している。このTBPyを用いると、λmaxから明らかなように、365 nmのLED光源を有効活用できる。すなわち、増感剤の吸収帯を光源に対して最適化しようという戦略である。
そこで、TBPyを用いた有機触媒による光クロスカップリング反応(アリルスズを用いたp-ジシアノベンゼンの光アリル化)を行った。その結果、プロセス化学に有用な様々な知見が得られた。
以前の報告では、増感剤であるピレンの濃度を基質2に対して20 mol%程度用いていたが、TBPyを増感剤としてLED光源を用いると0.05 mol%程度でもむしろ反応が速く進行することがわかった。また365 nm付近でのピレンの吸光度は大きくないが、1 mol%程度ならばTBPyと同程度の速度で反応が進行することもわかった。波長の最適化の有用性が明らかになるとともに、有機触媒を用いる光反応は、金属錯体触媒よりも触媒濃度が低く、合成化学への展開が期待される。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Recent advances in Twisted Intramolecular Charge Transfer (TICT) fluorescence and related phenomena in materials chemistry2016

    • 著者名/発表者名
      S. Sasaski, G. Konishi
    • 雑誌名

      J. Mater. Chem. C

      巻: 4 ページ: 2731-2742

    • DOI

      10.1039/C5TC03933A

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Bright and photostable push-pull pyrene dye visualizes lipid order variation between plasma and intracellular membranes2016

    • 著者名/発表者名
      Y. Niko, P. Didier, I. Mely, G. Konishi, A. S. Klymchenko
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 6 ページ: 18870

    • DOI

      10.1038/srep18870

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2017-01-06  

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