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2015 年度 実績報告書

カチオン-π相互作用に基づくテンプレート型光増感触媒の開発

公募研究

研究領域有機分子触媒による未来型分子変換
研究課題/領域番号 26105716
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

山田 眞二  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30183122)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードカチオン-π相互作用 / 光増感型アンモニウム触媒 / 光二量化反応 / テトラアルキルアンモニウム塩
研究実績の概要

先に我々は、ベンジルオキシベンゾフェノン誘導体およびアセトフェノン誘導体のNorrish - Yang反応において、テトラアルキルアンモニウム塩を添加すると、基質とのカチオン-π相互作用によりcis選択的にテトラヒドロベンゾフラノールが生成することを見出しいる。今年度は、増感効果を示す触媒を開発することで触媒量の低減を検討した。
基質として、2-シアノメチルオキシアセトフェノンを用いて、種々の増感剤を検討したところ、4-メトキシアセトフェノンが増感効果を示すことが明らかとなった。一方、テトラブチルアンモニウムアセテートもカチオン-π相互作用により反応を促進することが明らかになった。これらの結果から、両者を結合させたテトラアルキルアンモニウム増感触媒を合成し、光反応の経時変化を調べた結果、30 mol%でも著しい加速効果が見られ、目的とする光増感型アンモニウム触媒を開発することができた。
さらに、触媒的[2+2]光付加環化反応についても検討を行った。先に我々はスチリルピリジンの光二量化反応において、立体選択的[2+2]光付加環化反応が進行することを明らかにしているが、本研究では、カチオン―π相互作用による配向制御の一般性を明らかにすることを目的とし、ピリジン以外の含窒素複素環化合物であるスチリルチアゾール類の光二量化反応を検討した。
いずれの基質においても塩酸の非存在下では4種の二量体が得られ、選択性は見られなかった。一方、塩酸存在下では高い選択性でsynHT体が主生成物として得られた。これらの結果から、酸の添加により、チアゾール環がプロトン化されて正電荷を持つことで、分子間カチオン-π相互作用が働きsynHT体が優先して生成したものと考えられる。以上のことから、カチオン-π相互作用による分子間の配向制御が一般的手法として利用できることを明らかにした。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] [2+2] Photodimerization of ( E )-styrylthiazoles through cation-π-controlled preorientation2016

    • 著者名/発表者名
      Shinji Yamada, Kaoru Yamagami, Saki Oaku
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters

      巻: 57 ページ: 印刷中

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.tetlet.2016.04.085

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A Molecular Seesaw Balance: Evaluation of Solvent and Counteranion Effects on Pyridinium-π Interactions2015

    • 著者名/発表者名
      Shinji Yamada, Natsuo Yamamoto, Eri Takamori
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 17 ページ: 4862-4865

    • DOI

      10.1021/acs.orglett.5b02420

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] スパルテイニウム塩を用いるベンゾフェノン誘導体の光ピナコールカップリング反応2016

    • 著者名/発表者名
      吉岡眞由子・山田眞二
    • 学会等名
      日本化学会第96春期年会
    • 発表場所
      京都同志社大学田辺キャンパス
    • 年月日
      2016-03-24 – 2016-03-27
  • [学会発表] 光増感型アンモニウム触媒を用いる立体選択的Norrish-Yang反応2016

    • 著者名/発表者名
      大島有貴・山田眞二・都築誠二
    • 学会等名
      新学術領域研究「有機分子触媒による未来型分子変換」 第6回公開シンポジウム
    • 発表場所
      大阪科学技術センター
    • 年月日
      2016-01-22 – 2016-01-23
  • [学会発表] テトラアルキルアンモニウム塩を触媒とする立体選択的Norrish-Yang反応2015

    • 著者名/発表者名
      大島有貴・藤田結香・山田眞二・都築誠二
    • 学会等名
      第8回有機触媒シンポジウム
    • 発表場所
      沖縄自治会館
    • 年月日
      2015-05-10 – 2015-05-11
  • [備考] お茶の水女子大学化学科山田研HP

    • URL

      http://www.sci.ocha.ac.jp/chemHP/labos/yamadaHP/frame.htm

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公開日: 2017-01-06  

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