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2014 年度 実績報告書

アミン触媒と有機酸触媒共存系の構築

公募研究

研究領域有機分子触媒による未来型分子変換
研究課題/領域番号 26105730
研究機関京都大学

研究代表者

加納 太一  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40372560)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード酸塩基複合有機触媒
研究実績の概要

複数の反応点を有する基質を用いた際、狙った部位でのみ目的の反応を起こすことは未だに困難であり、精密有機合成における重要な課題となっている。アミン有機触媒の研究領域においても、反応部位は基質本来の性質に依存していることから、触媒による反応部位の制御は非常に挑戦的な研究課題である。たとえばα,β-不飽和アルデヒドは、カルボニル炭素とそのβ位の二ヶ所が求核剤に対する反応点となり得るが、求核剤をそれぞれの位置で付加させた生成物を選択的に得ることは困難である。そこで本研究では、求核剤を活性化するアミノ基と求電子剤を活性化する酸性官能基の相対的な位置関係が異なる触媒を使い分けることで、反応点の制御を試みた。その結果、2つの反応点を持つα,β-不飽和アルデヒドに対する脂肪族アルデヒドの付加において、アルドール反応に有効であるジアリールプロリノール を触媒として用いると、カルボニル炭素で反応した1,2-付加体(アルドール付加体)のみが高立体選択的に得られることを見出した。一方、酸性官能基としてスルホンアミド基を導入したビナフチル型アミン有機触媒 を用いると、β位で反応した1,4-付加体(共役付加体)が主生成物として高ジアステレオおよびエナンチオ選択的に得られ、立体選択性に加えて反応位置を触媒によって制御することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

酸性官能基と塩基性のアミン部位を併せ持つ有機触媒によるα,β-不飽和アルデヒドへの付加反応では、触媒の二つの官能基の相対的な位置関係が付加反応の位置選択性に大きく影響することを見出した。

今後の研究の推進方策

酸触媒とアミン触媒を協同的に働かせることで、従来とは異なる特異な反応性や選択性の獲得を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Regioselectivity Switch in Chiral Amine-catalysed Asymmetric Addition of Aldehydes to Reactive Enals2015

    • 著者名/発表者名
      Taichi Kano, Hiroki Maruyama, Ryu Sakamoto, Keiji Maruoka
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 51 ページ: 10062-10065

    • DOI

      10.1039/c5cc02438b

    • 査読あり

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公開日: 2017-01-06  

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