公募研究
第四級不斉炭素中心を有する生物活性天然物合成の一貫として研究を行い、以下の成果を得た。①α―置換シクロアルカノン類を基質として、光学活性第一級アミンであるフェネチルアミンを有機不斉触媒に採用し、種々のMichaelアクセプターとの不斉反応により、シクロアルカノンのα位に第四級不斉炭素中心を有する付加物を高い化学収率/不斉収率で得た。本反応を利用して、(+)-aspidospermidineの形式的全合成を達成した。②α―アリール置換ラクタム類を基質として、シンコナアルカロイド由来のキラル第四級アンモニウム塩を不斉触媒として、ラクタムのα位に第四級不斉炭素中心を有する目的付加物を高い化学収率/不斉収率で得た。本反応を利用して、(+)-mesembrineの短工程での不斉全合成を達成した。③一級アミン/チオ尿素共役型の有機不斉触媒を活用し、シクロヘキサジエノン類の不斉識別的Michael付加反応を検討した。本反応は高圧条件下で円滑に進行し、目的付加物を高ジアテレオ/高エナンチオ選択的に与えることが分かった。これにより、シクロへキセノン環上に位置する二つの連続した不斉点を一挙に構築し、そのうちの一つを第四級不斉炭素中心にコントロールできることが分かった。④チオ尿素系有機触媒存在下、3-アルキリデンオキシインドールとRawalジエンとの不斉Diels-Alder反応を検討し、目的のシクロヘキセノン骨格が3位でスピロ置換したオキシインドール誘導体を高ジアテレオ/高エナンチオ選択的に得た。⑤その他、臭化トリチル/ベンズヒドリルとチオ尿素との組み合わせにより、系中で発生するトリチルカチオンのルイス酸触媒活性を利用して、効率的なカルボニル―エン環化反応を開発した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Heterocycles
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文部科学省科研費・新学術領域研究「有機分子触媒による未来型分子変換」,平成25年度研究成果報告書
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http://www.c.kochi-u.ac.jp/~kotsuki/