研究領域 | 有機分子触媒による未来型分子変換 |
研究課題/領域番号 |
26105752
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植田 光洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60566298)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | イオン対型有機分子触媒 / 一級アミン / 光学活性有機ボレートアニオン / Friedel-Craftsアルキル化 / 不斉反応 |
研究実績の概要 |
光学活性アミン触媒の研究分野におけるイミニウム塩形成を鍵過程とした反応開発において、二級アミンを触媒として用いた不斉反応が数多く報告されているのに対し、一級アミンを用いた反応例はそれほど多くない。一級アミンは、二級アミンに対し立体的にかさ高いカルボニル化合物とイミニウム塩を形成できる優れた利点を有しているが、構造上の理由から不斉反応場の構築が難しく、二級アミン触媒に比べ高い立体選択性を与える触媒の開発が遅れている。本学術領域研究では、一級アミンと光学活性有機酸から形成される新規イオン対型有機分子触媒の開発により、真に有効な光学活性一級アミン触媒の開発を目指した。 26年度では、α、βー二置換不飽和アルデヒドとインドール誘導体を用いたFriedel-Craftsアルキル化反応において、触媒スクリーニングにより最大48% eeで目的生成物を与える一級アミン・光学活性有機ボレート塩触媒を見いだす事に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中程度のエナンチオ選択性ではあるが、一級アミン・光学活性有機ボレート塩を触媒として用いる事により、不斉反応が可能である事を示す事ができた。26年度で得た触媒設計に関する知見は、今後のより高性能な新規イオン対型有機分子触媒の開発に非常に有益である。
|
今後の研究の推進方策 |
26年度に得た触媒設計に関する知見から、より高性能なイオン対型有機分子触媒の開発を目指す。また、他のアミン触媒では不斉反応が困難な反応の開発に挑戦する。例えば、α位に置換基のある不飽和ケトンに対する不斉1,4-付加反応は、これまでに成功例はなく挑戦的な課題である。
|