平成27年度は,本研究課題の主題であるプロトン伝導体の伝導度推定を効率的に行うためのデータ分析アルゴリズムの構築,実装を行い,さらにそれをモデルであるBarium Zirconate(BaZrO4)の伝導度推定問題へ適用することでその有効性を実証した.このデータ分析アルゴリズムでは,ポテンシャルエネルギー関数の確率モデルとしてガウス過程モデルを用い,このガウス過程モデルを用いてエネルギーが低い領域を効率的に同定することができる.プロトン伝導体の伝導度は低ポテンシャルエネルギー領域によって特徴づけられるため,伝導度の推定を効率的に行うことができる.さらに,Barium Zirconateにおける実証実験では,ガウス過程モデルの記述子として適した特徴量の検討を行い,低コストで計算可能なポテンシャルエネルギーの推定値を利用することが有益であることを示した.
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