研究領域 | 超高速バイオアセンブラ |
研究課題/領域番号 |
26106718
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40324793)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | バイオマテリアル / バイオミメティック / バイオメカニクス / 細胞操作 / in vitro組織工学 |
研究実績の概要 |
今年度、本研究では、唾液腺組織をバラバラにし単離した細胞をもとに、実験室にて再度唾液腺組織を構築する技術を開発した。具体的には、単離した細胞の凝集塊を作製し、マトリゲルとよばれる人工細胞外マトリックス内での培養、さらに、増殖因子の添加によりこの結果を誘導できた。より詳細な検討の結果、細胞凝集塊のサイズにより、生成されるBudサイズが変わることが明らかとなり、また、FGF10、EGFといった増殖因子の最適添加量も明らかとなった。 一方、生体組織度評価技術構築に向けて、マウス骨組織の発生段階を生物学的、物理学的、化学的観点から計測し、胎児13日期からの結晶配向性、石灰化沈着量、基質発現などの定性、定量化データが蓄積されてきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
唾液腺組織の実験室での再構成は本研究課題の重要目標の1つであり、この達成は非常に大きな進捗である。この成果をもとに、実験室での組織合成における条件設定の最適化を進める状況ができており、異種細胞の利用は異なる増殖因子、サイトカインの利用など、新しい生命科学的知見の獲得も始まっていることから、高い達成度といえる。
|
今後の研究の推進方策 |
先にも述べた、組織再構成技術を利用した新しい生命科学的知見の獲得に関して、組織発生における大きさや形を司る要因について、より詳しく検討を進めていく予定にしている。また、組織評価度として、更なる基礎データの修得に加え、微小領域(ナノ、マイクロサイズ)とマクロ領域とのデータをシームレスに繋げた状況でのデータ解析、例えば「微小石灰化物性と有機質含有量、分布などを基にした骨組織のバルク性質発現の理解」、といった生物理解における新しい取り組みを進めていく予定である。
|