公募研究
前年度に作製したマイクロ流体デバイスでは、デバイス組み上げの操作性、および培養用の培地の流入・排出のコントロールに問題が生じたため、培養チャンバ-部以外の部分の再設計を行った。また、培養チャンバ-下面には、多孔PDMS膜は多数のピラーを立てたモールドを使用することにより、直径9 μmの一定の大きさの穴を有し、下面へと培地が抜ける多孔PDMS膜を作製することができた。新規に作製した装置を組み上げ、細胞を用いる前に、4本の流路とスリットを付与した培養チャンバ-上面から、培養チャンバ-下面へと培地の流入・排出がスムーズに行われるか、様々な条件を検討した。さらに、前年度までは、作製した軟骨ペレットをデバイスに移す予定であったが、今年度は胎齢10日のマウスより四肢胚を摘出し、トリプシンコラゲナーゼ処理にて分散、遠心後、デバイス内の培養チャンバー部に約5×105個の細胞を直接滴下する方法を採用した。培養開始15日後、チャンバ-から培養した軟骨を摘出し、4%パラホルムアルデヒドにて固定後、通法にしたがって脱水、透徹、パラフィン包埋し、厚さ5 μmの切片を作製後、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った。染色像からは、線維細胞層、肥大軟骨細胞層、増殖細胞層の形態に類似した細胞層が認められた。4つの流路からは、10%ウシ胎仔血清含有DMEM培地に、それぞれ線維芽細胞増殖因子(FGF)2、副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)、骨形成タンパク(BMP)2を添加した培地を流入させて培養を行った。以上より、われわれが開発した3次元器官培養装置を用いることにより、下顎頭に類似した層状構造を有する軟骨組織を作ることに成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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