公募研究
本研究では、申請者が独自開発したOrgan Bud Generation法を起点として、工学などさまざまな異分野の技術を融合し、発展型の培養系確立を目指している。本年度では、同領域の5グループとの共同研究体制を構築した。A01班中内Gと連携のもと、造血細胞を新たに加えた器官原基形成法の検討を開始し、良好な結果を得つつある。さらに、A01班新井Gと共同で、器官原基の物理特性を評価し、その品質を定量する共同研究を開始した。一方、A02班 埼玉大学吉川Gと連携のもと、培養系における外部環境(生化学的/力学的誘導因子・培養基材の硬さ特性・培養期間など)の各種パラメータを検討し、その最適条件を解明することに成功した。成果は、権威ある学術誌であるCell Stem Cell誌に受理された。さらに、A03班鈴木Gと連携のもと、酸素透過膜を有したマイクロパターンプレートを用いることでヒトiPS細胞由来肝臓原基の効率的な分化誘導が可能であることを示した。また得られた肝臓原基を、A02班福田Gの高速血管モールディング系に導入することで、灌流培養を可能とする複合組織の創出に成功した。以上のように、A01班の新井Gとの連携など、当初計画を越えてさまざまな連携研究が生まれつつある。今後も多角的な視点からブラッシュアップを継続していくことで、最終的にこの競争優位性の高いOrgan Bud Generation法を実用化技術へと発展させ、ヒトiPS細胞から高機能性の臓器を大量に、かつ、安価で、均一性と安全性を担保して創出可能な臓器構成方法を確立することを試みる。
1: 当初の計画以上に進展している
当初計画の実施内容は概ね完了した。特に、外部環境を至適化している埼玉大学との共同研究は、特許出願・論文発表など目覚ましい成果創出が達成された。さらに、名古屋大学新井Gと新たな共同研究を開始できたことなど、当初計画の想定を大幅に超える進捗状況であったといえる。
iPS細胞の維持、肝前駆細胞分化誘導に必要な培地やサイトカイン等に必要な消耗品費に使用する。得られた細胞の評価のための、遺伝子発現解析試薬や免疫染色用抗体などの試薬にも経費が必要となる。また、研究の推進に必要な研究補助員の人件費、共同研究先への出張旅費などにも利用する。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 12件) 図書 (9件) 産業財産権 (2件)
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