最終年度である本年度は、昨年度より計画の達成がずれ込んでいた計画1:「類洞・肝細胞索に加えて、毛細胆管構造を備えた『微細構造化3次元肝組織』の構築」を実施し、さらに計画2:『「薬物の吸収・代謝・排泄をリアルタイムに評価できるデバイス」の作製』と計画3:『薬物代謝に関する遺伝子ノックダウンによる「薬物代謝デバイスの有効性」の検証』に取り組んだ。 計画1について、マウス胎仔肝細胞とハイドロゲルビーズを使って類洞構造および肝細胞索構造を持つ肝スフェロイドを作製し、その後比較的長期間の培養を行うことによって毛細胆管と想定される構造の構築に成功した。計画2について、モデル薬物の吸収・代謝・排泄を共焦点顕微鏡下で観察できるデバイスの作製を行うことができた。計画3について、RNAiによるノックダウンよりも簡便で確実な手法としてトランスポーター阻害剤を用いた評価法を行い、毛細胆管と思われる構造への排泄能力の低下を観測できた。 また、超高速バイオアセンブラの取り組みとして、膵島や骨髄、さらには心筋や精巣の再構築にも取り組み、成果を得た。
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