公募研究
(1) 金属錯体ナノシートのバリエーションの拡張: ジチオレン金属錯体ナノシートに関して、中心金属および有機配位子のバリエーション拡張を行った。その一つに、中心金属としてパラジウムを導入した系がある。本物質の同定・物性測定を行い、論文をChemPlusChem誌に発表した。(2) ヘテロ金属ナノシートの合成: 大きな進捗はなかった。次年度以降に人員を割き、遅れを取り戻す予定である。(3) 「ボトムアップ型」金属錯体ナノシートの構造決定: SPring-8におけるすれすれ入射X線回折(GIXD)実験を行い、いくつかのナノシートについて回折像を得ることに成功した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)における制限視野電子回折(SAED)においても、想定される二次元格子ならびにその積層に帰属できる回折像が得られるようになった。(4) その他: ジチオレン金属錯体ナノシート積層体の高導電性とフェルミ準位の化学制御を見出し、Journal of the American Chemical Society誌に発表した。これは二次元トポロジカル絶縁性の発現に有用な技術となる。新しい金属錯体ナノシートとして、ジピリン金属錯体ナノシートを創製した。本ナノシートは「ボトムアップ型」ナノシートとしては異例の大面積を誇り、また光電変換の活物質として利用できることを見出した。本件についてNature Communications誌に発表した。
1: 当初の計画以上に進展している
Nature姉妹誌のNature Communications誌に、ジピリン金属錯体ナノシートの光電変換特性を発表するなど、大きな成果を挙げることができた。また、新概念のナノシート合成に成功しつつあること、および領域内共同研究・国際共同研究にも積極的に取り組んでいる。
今後も個人の成果については論文発表など、成果を挙げる一定の目処が立っている。加えて、今後は領域内共同研究・国際共同研究を更に加速し、領域に貢献したい。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件、 謝辞記載あり 13件、 オープンアクセス 3件)
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