公募研究
本研究では、興味深いユニークな物性が発現する酸化グラフェン(GO)とその還元体である(rGO)を有機配位子をはじめ金属イオンや金属錯体とハイブリッド化させることにより、GOハイブリッドならびにrGOハイブリッドの創生を行った。rGOの前駆体であるGOは高いプロトン伝導性を示し、またGOを種々に還元したrGOは、p型半導体あるいはn型半導体の性質さらには強磁性的特性を示すことを明らかにしてきた。さらに半導体であるグラフェンを光照射することにより水を分解する光触媒としての性質も見出した。これら単体の化学的性質を最大限に活用しつつ、このハイブリッド系では、燃料電池や太陽電池の材料を指向したプロトン伝導性、半導体特性、磁気特性あるいは光触媒能といった機能性の向上やハイブリッド化による多機能化を目指した。
2: おおむね順調に進展している
酸化グラフェン(GO)とその還元体である(rGO)を有機配位子をはじめ金属イオンや金属錯体とハイブリッド化させることにより、GOハイブリッドならびにrGOハイブリッドの創生を行った。rGOの前駆体であるGOは高いプロトン伝導性を示し、またGOを種々に還元したrGOは、p型半導体あるいはn型半導体の性質さらには強磁性的特性を示すことを明らかにした。これら単体の化学的性質を最大限に活用しつつ、このハイブリッド系では多機能化を目指し、伝導性と磁性を併せ持つハイブリッド材料の開発に成功したため。
GOは様々な酸素官能基を有しており負に帯電しているため、カチオン性の物質とハイブリッドを形成する。すなわちプロトンやカチオン性有機物、アルカリ金属、遷移金属、希土類などの金属イオン、さらにはカチオン性の金属錯体ともハイブリッドを形成する。本研究ではGOとrGOの官能基や欠陥と機能の関係について(i) GOのプロトン伝導性、rG Oの半導体特性および磁気特性を明らかにし、(ii) GOおよびrGOハイブリッド化合物を用いることによるプロトン伝導性、半導体特性および磁気特性のさらなる性能の向上、金属イオンや金属錯体の機能性に基づいた多機能性材料として開発することを目指す。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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http://www.sci.kumamoto-u.ac.jp/~hayami/index.html