光刺激で活性化されるpH応答性蛍光ナノプローブの開発 これまでの成果である構造活性相関に基づく自己集合型ナノプローブの合理的な背一計を基にして、集合状態を形成すると予測された光分解性保護基を導入した自己集合型ナノプローブを合成し、その機能の詳細を検討した。光分解性保護基は、特定の波長の光によって脱保護することができる。実際の自己集合型ナノプローブは、光照射前には自己集合体を形成しており、無蛍光でありながら、光照射をおこなうことで蛍光性を回復し、自己集合状態を維持したままpHプローブとして利用できることが明らかとなった。この細胞内での利用を検討し、細胞内への導入のプロセスの検討や、細胞内においてもpH応答能を試験管内と同様に示すことが確認され、光刺激をトリガーとするpH応答性蛍光ナノプローブとして利用できることが明らかとなった。
自己集合型ナノプローブのナノキャリアとしての利用 自己集合型ナノプローブとしては、これまでに応答性等を改良してきた自己集合型ナノプローブを採用し、薬剤の内包能を検討した。いくつかの薬剤は自己集合体内に内包されていることが示唆された。自己集合型ナノプローブには、ニトロリダクターゼ(NTR)応答性が付与されているため、NTRによる蛍光の回復により自己集合体の分散過程が評価可能である。実際に内包自己集合型ナノプローブをNTRで処理したところ、顕著な蛍光の回復と、自己集合体に内包された薬剤がNTRの存在により、放出されたことが示唆された。
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