研究領域 | 宇宙における分子進化:星間雲から原始惑星系へ |
研究課題/領域番号 |
26108507
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小林 かおり 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (80397166)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 分子分光学 / 電波天文学 / データベース / マイクロ波分光 |
研究実績の概要 |
生体関連分子を含む大型有機分子の電波望遠鏡による観測には実験室分光による静止周波数が必要である。このような比較的重い分子では低い周波数帯での実験が重要である。近年開発されたチャープ・フーリエ変換型マイクロ波分光計は、高速・高感度で室温の分子を測定することができる。本研究では一度に測定できる最大の帯域が240 MHzで、周波数帯が12-18 GHzのチャープ・フーリエ変換型マイクロ波分光計を制作中である。帯域が数10 MHzで1μsのマイクロ波パルスを作成し、5 mの導波管セルを用いてアンモニアの測定を行った。得られた自由誘導減衰(FID)信号をフーリエ変換し、12-18 GHz帯でアンモニアの測定が可能であることを確認した。今後、帯域と感度の向上及び、制御プログラムの改善を行う予定である。関連して、マイクロ波分光データのデータベースであるToyama Microwave Atlasの利便性向上について、検討した。 一方で、電波望遠鏡ALMAの公開データであるScience Verification Dataを用いて、Orion KLでのギ酸メチルの振動励起状態の解析を進めた。以前の野辺山45 m電波望遠鏡の観測データでは、分子のスペクトル強度から求めた振動温度と回転温度に不一致が見られたが、今回のより空間分解能の高い領域でこれについて検討した。ねじれ振動第2励起状態まで観測できるHot CoreとCompact Ridgeの2領域で、同様の傾向がみられるかを調べた。Compact Ridgeでは相対速度の異なる2成分については分離して解析した。それぞれの領域で誤算範囲で振動温度と回転温度は一致していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、12-18 GHzの周波数帯でチャープ・フーリエ変換型マイクロ波分光計は制作できている。今後の感度と帯域の向上についても目途が立っている。マイクロ波分光データベースについては利便性向上のための検討を行い、今後の移行を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、分光計の最適化を進め、チャープ・フーリエ変換型マイクロ波分光計の制作を進める。 マイクロ波分光データのデータベースであるToyama Microwave Atlasについては、VAMDC(Virtual Atomic and Molecular Database Center)コンソーシアムに加わるべく、準備中であるが、フォーマットの対応の難度によっては、現状のマイクロ波分光データベースの改良を優先することも検討中である。
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