公募研究
金属酸化物同士の界面における様々な特異現象(超伝導、磁性、電荷移動、イオン移動等)に注目が集まっている。本研究は超低速ミュオンが有する高い深さ分解能を活用して、その界面現象の起源を明らかにすることを狙っている。本年度、固体電解質と金属電極界面におけるイオン移動について集中的に検討を行った。この界面では、固体電解質内に空間電荷層と呼ばれるイオン濃度が減少した領域が界面近傍に形成されることが知られている。しかし、この層が固体電解質/電極界面からどの程度の深さまで達するのか、また、どの程度のイオン濃度になるのか、定量的な研究は行われていない。そこで、超低速ミュオン研究と補完する役割を持つ、核反応分析法(NRA)を活用し、Liイオン濃度の深さ分布について、検討を行った。その結果、界面から10マイクロメートルの深さまでイオン濃度が変調していることがわかった。そして、それは印加する電界によって変化することも明らかになった。これは従来の常識を覆す結果であり、今後も集中して検討を行う予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
Solid State Ionics
巻: 285 ページ: 118-121
doi:10.1016/j.ssi.2015.06.007
Thin Solid Films
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Phys. Rev. B
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http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevB.92.014417