本研究目的は,紫外域から赤外域にかけて波長選択性の高いイメージセンサを開発することである.本研究目的達成のため,申請者の専門分野であるプラズモニックデバイスを応用する.提案するイメージセンサは,金属凹凸構造を有するプラズモニックデバイスをSOI基板部にオンチップ形成し,SOI基板をセンサとし(裏面照射型),薄膜SOIに検出回路を集積化した3次元構造である.凹凸周期に対応した波長をもつ光のみが,金属中の伝導電子と共鳴し,センサ部にて高効率に吸収される.金属構造を工夫し,任意波長の光を任意の位置に集光,局在させることにより,従来の裏面照射型の課題であった光クロストークを極限にまで低減することが可能となり,色純度の極めて高いイメージセンサを実現する. 昨年度実施した計算にて最適化した構造をもとに,今年度は,電子線リソグラフィと集束イオンビーム加工を駆使してプラズモンフィルタを作製した.作製したプラズモンフィルタの透過光強度分布と透過スペクトルを観測するため,透過型顕微光学系を構築した.緑色用のプラズモンフィルタを作製し,そのフィルタリング特性を実証した.
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