公募研究
生体などの軽元素を含む試料内部の微細構造をさぐるために、様々なX線位相コントラスト撮像法が提案されてきたが、X線タルボ干渉計は、その実用化の最前線にある。本研究では、マイクロフォーカスX線源と、1枚の回折格子、そしてXRPIX検出器からなるX線タルボ干渉計の実現を目指した。本装置は、X線画像検出器XRRPIXを用いて個々のX線光子を計測することで、ピクセル以下の位置分解能と、X線エネルギー測定、選別を行う点で、従来のX線タルボ干渉計と異なる特徴をもつ。昨年度の研究で、XRPIX2b素子を導入、室温動作からはじめ、冷凍機と真空層を組み合わせた冷却カメラの完成まで実現していた。本年度は、マイクロフォーカスX線源照射するセットアップをして、試料のX線屈折コントラスト拡大撮影が実施した。X線CCDを使用した場合に比べて、パイルアップ耐性が高く、撮影時間を1桁以上短縮できることを実証した。次いで、様々な幅のスリットを撮影し、位置分解能を測定した。10倍拡大撮影で、3ミクロン幅のスリットを分解できた。また、X線イベントをシングルイベント、スプリットイベントと区別することで、位置分解能をさらに向上できることも実証した。最後に、3ミクロンピッチあるいは4.8ミクロンピッチの回折格子を様々な距離に設置し、X線タルボ効果による自己像(干渉縞)を得ることを目指した。前者の回折格子で、30倍の拡大率の位置に設置した場合、干渉縞のヒントが得られた。ただし、コントラストは7%程度で、期待される数10%に比べると十分とはいえない。今後、各種調整を継続し、より明瞭な干渉縞を得ることを目指す。一方、本研究の過程で、X線天体のサイズを測定する新しいタイプのX線天文用干渉計の原理を発案した。この方向の研究も今後すすめていく。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Publ. Astron. Soc. Japan
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1093/pasj/psv114
10.1093/pasj/psw027
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A
10.1016/j.nima.2016.04.040
10.1016/j.nima.2016.03.071
巻: 67 ページ: id.168 pp.
10.1093/pasj/psu149
Proceedings of the SPIE
巻: 9601 ページ: 96010E 10 pp.
10.1117/12.2190808
http://soipix.jp/
http://soipix.jp/b-01-1.html