公募研究
本研究では、シンクロ型LPSO構造を持つMg合金の代表例としてMg-Zn-Yの合金を念頭におき、Mg中のZn、Yの拡散係数を最新のレーザーパルス局所電極型アトムプローブを用いて求める。具体的な研究の流れは以下の通りである。1、拡散対試料の作製。2、アトムプローブ用試料作製:アトムプローブ測定試料形状は先端が数十nmの細い針状である。蒸着したZnやYとMgの界面部分を針の先端領域にもってくる必要がある。この作業は集束イオンビーム加工装置(FIB)に具備されている走査型電子顕微鏡(SEM)観察しながら針加工を実施する。SEMで確認しながら、界面が針状試料の先端から50~100 nm程度内に含まれるように試料を作製する。3、アトムプローブ測定条件の最適化:測定データのS/N比はアトムプローブの測定条件(測定温度、レーザーパワー)によって大きく左右されるため、測定条件の検討を繰り返し行い、S/N比を向上させる。4、Mg中のZn、Yの粒内拡散係数の決定:アトムプローブ測定によってアトムマップ取得し、アトムマップから求めた濃度分布から、粒内の拡散係数を求める。上記1、2、3、4、までの一通りの実験作業行い、拡散対試料作製部分以外はうまくいくことが確認できた。拡散対試料作製に関しては、電解研磨でMg表面処理を行っても、すぐに表面が酸化してしまい、アトムプローブ測定で、薄い表面酸化膜層が検出された。また劈開することで酸化膜のない表面を得ようと試みたが、液体窒素温度ではMgは脆性破壊しないことがわかった。今年度、蒸着チェンバー内でArスパッタ装置を導入することで、表面酸化膜を除去し、その場で蒸着しようとしたが、密着性に問題があった。電子ビーム溶解ではなくスパッタリングで蒸着を行った結果、密着性のよい拡散対試料が作製でき、アトムマップを得ることができ、拡散プロファイルを得ることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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