| 研究領域 | シンクロ型ＬＰＳＯ構造の材料科学 ―次世代軽量構造材料への革新的展開― |
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| 研究課題/領域番号 |
26109717
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| 研究機関 | 熊本大学 |
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研究代表者 |
眞山 剛 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (40333629)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 材料力学 / 連続体力学 / 計算力学 / 構造材料 / マグネシウム合金 |
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| 研究実績の概要 |
平成２６年度はLPSO単相多結晶の鋳造材を対象として，圧縮予負荷後の引張り負荷試験と各過程における組織観察を行い，キンク帯の形成，成長および回復挙動に関する基礎的な知見を蓄積した．また，平成２７年度に本格的に実施するキンク挙動解析のための手法構築を行うと共に，予備的な解析の実施を開始した．具体的な実施項目は下記のとおりである．
【圧縮－引張り負荷試験】負荷反転を伴う変形課程におけるキンク挙動を調査するために，圧縮－引張り負荷試験を行った．予ひずみ量を決定するための予備試験としてひずみ制御による系統的な繰返し負荷試験を実施し，繰返し挙動に関するデータを得た．また，負荷前後の表面組織を同一視野で観察可能な試験方法を考案し，圧縮－引張り試験を実施した．
【加工組織の定量的評価】上記圧縮－引張り負荷試験の試験前，圧縮除荷後および引張り除荷後の各過程における組織観察を行い，キンク帯の形成，成長および回復挙動を評価した．その結果，圧縮時導入されるキンク帯のほとんどは引張り逆負荷を受けても回復しないことがわかった．
【単結晶解析】これまでに開発してきたLPSO構造のための結晶塑性有限要素解析手法を用いて，圧縮負荷に伴うキンク帯の形成と圧縮後に引張り負荷を受けることによるキンク帯回復に関する単結晶解析を行った．その結果，単純な線形硬化則を用いた解析においても圧縮時にキンク帯に対応する顕著な粒内方位差が発達するが，逆負荷時にはほぼ完全に回復し，上記実験結果とは一致せず手法の改善が必要であることがわかった．
【多結晶解析】LPSO単相多結晶材の変形解析手法を構築し，予備解析として圧縮負荷解析を行った．その結果，実験結果と同様に数％の圧縮変形を与えることにより，キンク帯に対応した結晶粒内方位差の発達が確認された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成２６年度の当初研究実施計画では，LPSO単相多結晶材を対象としてひずみ制御による繰返し負荷挙動を実施する予定であったが，鋳造材においてはひずみ振幅が数％以下の変形ではほとんどキンク帯が形成されないことがわかったため，変位制御の圧縮予負荷でキンク帯を導入し，反転負荷を与える実験へと計画変更した．それに伴い，加工組織の定量的評価についても，キンク帯の形成，成長および回復に焦点を絞り，圧縮－引張り負荷中の組織変化を評価することにした．一方，数値解析については手法の構築，予備解析の実施は予定通り順調に進展している．また，単結晶解析および多結晶解析ではキンク帯に対応する粒内方位差の発達が再現されている．
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| 今後の研究の推進方策 |
本件研究課題がプロジェクト研究の中の公募研究であることを意識し，LPSO構造の力学に関する他の研究グループによる最新の成果を随時把握すると共に，得られた情報に基づき計画を調整する．また，計画研究や他の公募研究を実施している研究者と連携可能な部分に関しては，可能な限り協力して効率的に研究を推進する．
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