公募研究
本提案研究では、微細加工技術に依存せずに分子素子の形成を可能とする“単結晶ヘテロナノワイヤ分子素子”とその機能を実証することを目的とする。分子素子を形成する従来法は、走査プローブ顕微鏡法、機械的破断法、微細加工技術に立脚したナノギャップ法に大別することが出来るが、本新学術領域が目指す分子素子の組織化を実現するためには、従来法の枠組みを超えて分子素子が電極と共に内部に既に設計されているナノ構造が理想の形態といえる。ヘテロナノワイヤ構造は、1分子の大きさに対応したナノギャップを原子堆積法によりナノワイヤ構造内部に実現することを可能とし、加えてナノワイヤ構造自身が引き出し電極の役割をも果たす極めて魅力的なナノ構造である。このナノ構造の実現により、有機合成化学研究者が合成プロセスの延長上で電極と結合した分子素子を形成する事が可能となる。
2: おおむね順調に進展している
ヘテロ構造を単結晶ナノワイヤ構造内に形成させる為に、金属触媒を介したVapor-Liquid-Solid(VLS)反応法を用いる。VLS反応法では、供給した原料が固液界面のみに絶対選択的に結晶成長することが可能となり、所望の原料をシーケンシャルに供給することで狙いのヘテロ構造をナノワイヤ構造内部に実現する。これまでにVLS反応法を用いて機能性酸化物材料をナノワイヤ構造化する技術を蓄積しており、これらの科学技術を駆使することによって分子素子を実現する新しいナノワイヤ構造を実証した。
“分子サイズのナノギャップと電極構造が内包されたナノワイヤ構造体”を用いて、単一分子素子と電流検知型の分子認識機能を実証する。本目標を達成するために、①機能性分子をナノワイヤとハイブリッド化し、②形成された単一分子素子の電気伝導度を検証し、③雰囲気中の微量ターゲット(各種ガスや金属イオン)を電流変化として検出する分子認識機能を実証する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 9件、 招待講演 10件) 図書 (1件)
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