公募研究
本研究は統合失調症などの精神疾患に関連するポリシアル酸転移酵素ST8SIA2の機能解析が目的であり、本研究では報告のある精神疾患患者に有意なSNPsや変異に関して、それらの酵素がもたらす産物であるポリシアル酸の構造および機能解析を行った。具体的にはプロモーターに存在するrSNPに関してはプロモータ解析および遺伝子のマイクロアレイの解析を各種細胞を用いて行い、ある転写因子によって細胞特異的にST8SIA2の発現異常が起こる可能性を示した。翻訳領域に存在しアミノ酸置換を伴うSNPの解析から、疾患型が合成するポリシアル酸が損なわれ、特にBDNFの結合やproBDNFの結合性が正常型より損なわれることがわかった。また翻訳領域に存在しアミノ酸置換を伴わないsSNPは、コドン使用頻度によりST8SIA2の翻訳速度が変化し、ポリシアル酸の生合成に影響を与える可能性が示唆された。イントロンに存在するiSNPは、特に双極性障害型のSNPに関して、マウスの神経細胞およびヒトHEK細胞においてST8SIA2の合成が促進され、polySiaが過剰発現することが明らかになった。ST8SIA2の過剰発現の影響を調べるために子宮内エレクトロポレーション法により、ST8SIA2およびST8SIA4の遺伝子導入を行ったところ、ニューロンの移動がMockに比べて変化した。以上のことより、ST8SIA2遺伝子発現は細胞特異的に発現が厳密に制御されており、それに伴いpolySiaの構造が損なわれることが分かった。つまり、polySia構造は厳密に構造が制御されており、それによって神経作用因子であるBDNF、FGF2, proBDNFの結合性を制御することなどで、正常な神経機能を果たすことが考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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