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2014 年度 実績報告書

オートファジータンパク質群の動的相互作用と分子集合形態の解析

公募研究

研究領域オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで
研究課題/領域番号 26111508
研究機関東京工業大学

研究代表者

山本 林  東京工業大学, フロンティア研究機構, 特任助教 (80551283)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードオートファジー / 出芽酵母 / オートファゴソーム / 膜動態 / Atgタンパク質
研究実績の概要

オートファゴソーム形成の初期過程では複数のAtgタンパク質からなる高次会合体が形成される。本研究では、Atg高次会合体の形成過程における「Atgタンパク質群の相互作用ネットワーク」について解析を行い、以下の知見を得た。
Atg高次会合体の形成初期過程を制御するAtg1複合体について解析を進め、高度リン酸化タンパク質Atg13が飢餓に伴って脱リン酸化されることでAtg1およびAtg17と相互作用し、これらの相互作用を介して両者を繋ぎ留めることでAtg1複合体の形成を促すことを明らかにした(Nat. Struct. Mol. Biol., 21, 513-521, 2014)。
Atg1複合体の集積後にはAtg9ベシクルが集積することが知られているが、局在化の分子機構についてはよく分かっていなかった。in vivoにおける相互作用解析から、Atg13のN末端HORMAドメインとAtg9のN末端ドメインが相互作用することを見出し、Atg13がC末端の天然変性領域を介してAtg1複合体を形成した後、N末端HORMAドメインを介してAtg9ベシクルをリクルートすることを明らかにした(Proc. Natl. Acad. Sci., 112, 3350-3355, 2015)。
Atgタンパク質群のMITドメインを介した相互作用について解析を行い、Atg1 MITとAtg13 MIMの相互作用がAtg9 MIMの導入により競合することを明らかにした。また、これらの相互作用がAtg14 MIMやAtg38 MITとは競合・協調しないことも同時に確認している。
オートファゴソーム形成過程に関わるMIT-MIM相互作用についてAtgタンパク質以外の因子について解析を行うため、各Atgタンパク質のMITドメインをベイトとしてスクリーニングを行い、複数の候補タンパク質を同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

オートファゴソーム形成過程における「Atgタンパク質群の相互作用ネットワーク」について解析を行い、複数のAtgタンパク質間相互作用を新規に見出すことに成功し、それぞれ学術雑誌に報告している。これらの点については交付申請書に記載した研究計画が十分以上に達成されている。また、MIT-MIM相互作用が仲介するネットワーク解析についても、Atgタンパク質間での相互作用解析の他に、Atgタンパク質以外の因子についても相互作用スクリーニングを行っており、これらを総合的に考えると研究計画の達成度については「当初の計画以上に進展している」と言える。

今後の研究の推進方策

相互作用スクリーニングで得られた候補因子について、ベイトに用いたAtgタンパク質との相互作用の確認などを行い、同時に、遺伝子欠損株を作製してオートファゴソーム形成への関与について解析を行う。また、MIT-MIM相互作用以外にも新規の相互作用を見出しており(Atg1-Atg13-Atg17相互作用に関わる新規の相互作用様式)、この相互作用についても注力して解析を進めて行く予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Atg13 HORMA domain recruits Atg9 vesicles during autophagosome formation2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, S.W., Yamamoto, H., Oikawa, Y., Kondo-Kakuta, C., Kimura, Y., Hirano, H., and Ohsumi, Y.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci.

      巻: 112 ページ: 3350-3355

    • DOI

      10.1073/pnas.1421092112

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Structural basis of starvation-induced assembly of the autophagy initiation complex.2014

    • 著者名/発表者名
      Fujioka, Y., Suzuki, S.W., Yamamoto, H., Kondo-Kakuta, C., Kimura, Y., Hirano, H., Akada, R., Inagaki, F., Ohsumi, Y., and Noda, N.N.
    • 雑誌名

      Nat. Struct. Mol. Biol.

      巻: 21 ページ: 513-521

    • DOI

      10.1038/nsmb.2822

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Molecular mechanism of the initial step of autophagosome formation2014

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, H., Suzuki, S.W., and Ohsumi Y.
    • 学会等名
      2014 Northeastern Asian Symposium on Autophagy
    • 発表場所
      Westin Chosun Hotel Busan, Busan, Korea
    • 年月日
      2014-12-18 – 2014-12-21
  • [学会発表] オートファジー関連タンパク質のリン酸化による機能制御2014

    • 著者名/発表者名
      山本 林,鈴木 翔,藤岡 優子,木村 弥生,平野 久,野田 展生,大隅 良典
    • 学会等名
      第12回 日本プロテオーム学会年会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2014-07-17 – 2014-07-18
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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