公募研究
オートファゴソーム形成の初期過程では複数のAtgタンパク質からなる高次会合体が形成される。本研究では、Atg高次会合体の形成過程における「Atgタンパク質群の相互作用ネットワーク」について解析を行い、以下の知見を得た。前年度に行ったMITドメインによるAtgタンパク質相互作用のスクリーニングで得られた情報をもとに、オートファゴソーム形成反応の始動複合体であるAtg1複合体(Atg1, Atg13, Atg17, Atg29, Atg31)に焦点を当てて相互作用解析を行い、既知のAtg13-Atg17相互作用(前年度に報告済み)に加えて、別の部位でのAtg13-Atg17相互作用が高次会合体形成に重要であることを見出した。構造解析から、2つのAtg13-Atg17相互作用は空間的に遠く離れた位置にあることが見出され、in vitro解析から、Atg13-Atg17相互作用が分子内ではなく分子間での相互作用であることを明らかにした。これらの結果は、Atg1複合体が2つのAtg13-Atg17分子間相互作用を介して連結していくことを示している。また、これらの相互作用が、Atg1キナーゼの自己リン酸化および自己活性化に必須であり、さらに、下流のAtg9ベシクルの集積にも関与することを見出しており、Atg会合体形成機構の分子基盤を明らかにする重要な知見である(現在論文リバイス中)。耐熱性酵母Kluyveromyces marxianusのAtgタンパク質を同定し、これらのタンパク質が高い熱安定性を持ち、構造解析やin vitro解析に有用であることを示した(Yamamoto et al., J. Biol. Chem., 290, 29506-29518, 2015)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
J. Biol. Chem.
巻: 290 ページ: 29506-29518
10.1074/jbc.M115.684233
Proc. Natl. Acad. Sci.
巻: 112 ページ: 3350-3355
10.1073/pnas.1421092112