公募研究
HeLa細胞において、Lamp1陽性リソソームにおけるp18(LAMTOR1)の免疫陽性反応が分裂期で低下する傾向を見いだした。そこで、同調培養によりS・early G1・late G1・G2/M期の細胞を分取しウエスタンブロットを行い、G2/M期でp18、mTORC1の下流の標的タンパク質S6Kのリン酸化の減少を認めた。一方、WYE354投与や飢餓の誘導によるmTORC1の活性化の阻害はp18の量に影響を及ぼさなかった。以上は、分裂期のp18の減少がトリガーとなりmTORC1の活性化が抑制されることを示唆する。分裂期におけるepoxomicine投与によりp18の量が回複し、プルダウンアッセイによるユビキチン化タンパク質の検討により、G2/M期の細胞でp18抗体陽性のユビキチン化タンパク質の増加を認めたことから、分裂期のp18の減少へのユビキチン・プロテアソーム系の関与が示唆された。次に、p18/LAMTOR1の中枢神経系特異的遺伝子欠損マウスを解析した結果、新生仔は体重が対照群より軽く、生後14日前後で致死となることを見出した。生後14日目のマウス脳を用いた免疫組織化学的解析により、ニューロン、アストロサイト、ミクログリアでは顕著な変化が観察されなかったのに対して、p18/LAMTOR1の中枢神経系特異的遺伝子欠損マウスでは、成熟したオリゴデンドロサイトのマーカータンパク質の発現が全脳にわたって消失していた。さらに、透過型電子顕微鏡をもちいた形態学的解析により、脳梁及び小脳における軸索の髄鞘化をほとんど認めなかった。以上の結果は、mTORC1の活性がオリゴデンドロサイトの分化に重要な働きがあることを示唆するものである。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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