公募研究
哺乳動物細胞の中で、ミトコンドリアは主要な細胞エネルギー生産の場として必須の機能を持っている。一方、ミトコンドリアの機能不全により様々な病態が引き起こされることから、その正常機能を維持することは生体にとって重要な意義を持つ。細胞内ではミトコンドリアは細長いネットワーク構造を形形成している。ミトコンドリアは動的にその形態を変化させており、ミトコンドリアの融合と分裂によるダイナミクスはミトコンドリア品質管理に重要であると考えられている。しかし、その制御の分子機構及び意義はまだ十分には理解されていない。そこで本研究では、ミトコンドリアダイナミクスの意義の再検討を行い、ミトコンドリア品質管理の基本原理を理解することを目指して研究を進めた。これまでにミトコンドリアが失活すると内膜融合因子OPA1が分解され融合活性を失うことを見い出している。この反応は、障害を受けたミトコンドリアが細胞内の連携から排除され、その後の分解等を介した品質管理に繋がる応答だと考えられている。しかし、この細胞内ミトコンドリアネットワークからの障害ミトコンドリア成分の選別機構は未だ不明な点が多く残されている。そこで我々はOPA1のミトコンドリア品質管理への関与の詳細解析を進めている。内膜融合因子OPA1が失活したミトコンドリアは、正常なミトコンドリアと融合可能であること、即ちOPA1の抑制だけでは障害ミトコンドリアの選別・排除には不十分であることが明らかになった。この制御機構をさらに詳細に調べるため、膜結合型OPA1を大量発現・精製する実験系を構築した。この発現系を用いることで、OPA1の機能、特にGTP加水分解に依存した膜融合反応の分子詳細を解析可能となるため、現在さらなる詳細解析を進めている。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
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