公募研究
本研究では、我々が見出している「6ヶ月齢程からの加齢と共に雌マウスで肥満が生じる」という特徴を持つ、VSOP/Hv1欠損マウスに着目し、老化に伴う肥満形成が生じるメカニズムについて、新たな知見をみいだすことを目的とした。VSOP/Hv1は脳内ではミクログリア特異的に発現するため、VSOP/Hv1のミクログリアにおける機能を詳細に解析した。初代培養ミクログリアにおいてsuperoxide anionの産生をPMA刺激により誘導し、Diogeneにより定量したところ、先行論文での知見とは逆に、VSOP/Hv1ノックアウトマウスでは優位に産生量が増えることが示された。好中球やマクロファージなどでのVSOP/Hv1の機構とは異なる機構により制御されている可能性が示唆された。またミクログリアでのVSOP/Hv1の細胞内局在を詳細に検討した結果、細胞膜の周辺部、とくに接着部位に多く分布することが示された。
1: 当初の計画以上に進展している
ミクログリアにおけるHv1の活性酸素産生制御機構について、先行論文での知見とは異なる結果が得られ、あらたなプロトンチャネルの生理機能が見いだされる可能性が生じたため。
このようなミクログリアでのVSOP/Hv1による活性酸素産生機構について、アクチン形成との関係を明らかにし、VSOP/Hv1による活性酸素産生の抑制機構と週齢に伴う酸化ストレスとの関係を調べる計画である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 5件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
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