公募研究
本研究においては、ゲノムリプログラミングを調節するメカニズムとして、クロマチン構造に関わるヒストン修飾や変異体のクロマチンへの取り込みを調節する因子が受精後に急速に消失することがその1つの要因であり、そのような因子をコードする母性mRNAは受精後に急速に分解されていると考えた。そこで、受精後に急速に分解される母性mRNAに着目することでリプログラムに関わる因子を探索し、その作用機序を解析することでゲノムリプログラミングのメカニズムを明らかにすることを計画した。前年度に、受精後にmRNAが急激に分解される遺伝子として、Fbxwファミリーを発見した。そこで、本年度はFbxwファミリーの機能を調べるため、Fbxwファミリーに共通な配列に対するsiRNAを作成し、これを成長期卵に顕微注入した。その結果、Fbxwファミリーのすべてを同時にノックダウンすることができた。このFbxwファミリーがノックダウンされた卵をin vitroで培養し、hCG添加で減数分裂の再開を誘導したところ、卵核胞崩壊には異常が見られなかったが、第1減数分裂中期で減数分裂が停止した。したがって、Fbxwファミリーは、減数分裂の進行に必須な遺伝子であることが示唆された。また、前年度に受精後にmRNAが急激に分解される遺伝子を探索したが、本年度はこれをさらに発展させて減数分裂再開後に急激にmRNAが分解される遺伝子の解析を行い、前年度の結果と合わせて母性mRNAの分解パターンについて詳細な解析を行った。その結果、減数分裂再開後と受精後で異なる分解制御機構が存在することが分かり、特に受精後はmRNAの3’UTRの配列依存に機能するメカニズムが機能していることが示唆された
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
EMBO J.
巻: 34 ページ: 1523-1537
10.15252/embj.201490648
J. Reprod. Dev.
巻: 69 ページ: 179-184
10.1262/jrd.2014-137