現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度計画1.生殖細胞の各分化段階でのH3K9 脱メチル化酵素の発現プロファイルを明らかにする。 [計画1の進行状況] 免疫組織染色法によって、Jmjd1aとJmjd1bは胎生期の雄性生殖細胞で発現していること、さらにその発現は受精後15-17日にピークとなることを明らかにした。 H26年度計画2.Vasa-Cre, Jmjd1a/b-conditional KO マウスの雄性生殖細胞の表現型を明らかにする。 [計画2の進行状況] Vasa-Cre, Jmjd1a/b-conditional KO マウスの雄では、精巣の著しい矮小化が観察された。さらに詳細な解析を行った結果、減数分裂に移行する前に生殖細胞が枯渇していることが分かった。 上記のように、平成26年度の計画に掲げた研究方針はおおむね順調に進んだと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1)H3K9 脱メチル化エピゲノムによる生殖細胞の遺伝子発現制御機構を明らかにする。 方法:平成26 年で得られた結果をもとに、生殖細胞におけるJmjd1a/b の標的遺伝子を明らからかにする。標的遺伝子の発現とH3K9 の脱メチル化との関係をクロマチン免疫沈降によって確認し、Jmjd1a/b による遺伝子発現制御機構の分子基盤を理解する。 2)H3K9 脱メチル化が“体細胞から減数分裂への移行”や“ゲノムインプリントの確立”に寄与しているのかについて検証する。 方法:Jmjd1aホモ, Jmjd1bヘテロ欠損の生殖細胞において、減数分裂が正しく進行しているのかを組織・細胞染色で明らかにする。Jmjd1aホモ, Jmjd1bホモ欠損の生殖細胞のゲノムを用い、ゲノムインプリント確立の異常の有無を調べる。また、Jmjd1aホモ, Jmjd1bホモ欠損の生殖細胞において、Stra8 やDnmt3a の発現が実際に低下しているのかについて、細胞レベルで検証する。
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