公募研究
H27年度までに、着床前後のマウス胚体をエピブラスト、胚体外外胚葉、臓側内胚葉の組織に分け、それぞれの胚組織における遺伝子発現プロファイルを取得、解析し、着床前後で大規模な遺伝子発現の遷移が生じることを明らかにした。また、エピブラスト幹細胞(EpiSC細胞)は着床後のエピブラストのモデル細胞として有用であるが、Wnt阻害剤を用いることにより、従来の方法に比し樹立効率を飛躍的に向上させた画期的なEpiSC細胞樹立法の開発に成功した。この培養技術を応用し、naive型幹細胞であるES細胞からprimed型幹細胞であるEpiSC様細胞へと効率よく分化させる系を確立した。今後、このin vitroモデル系を用いて、着床前後に生じるエピゲノム変動の実態とその意義の解明を目指す。GS (Germline Stem)細胞は、試験管内で無限に増殖可能であり、精細管に移植することにより、精子を形成する能力を持つユニークな幹細胞である。このGS細胞の継代を続けると、しばしば造精能を喪失した株が出現するが、恐らくエピゲノム変化により精子形成能が低下したものと推察される。この造精能を欠損したGS細胞と正常GS細胞の発現プロファイル比較により、発現差のある約200の遺伝子を抽出し、その中から生殖細胞分化に重要と思われるエピゲノム制御因子を含む複数の遺伝子を見出した。今後は、これらの遺伝子機能の解析を通じて精子形成に必要な遺伝子、そのエピゲノム制御の解析を行っていく。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
Biology of Reproduction
巻: 未定 ページ: 未定
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