公募研究
マウス腸間上皮細胞にタモキシフェン依存的に恒常活性化型Ras変異を導入できるVillin/CreERT2;LoxP-Stop-LoxP(LSL)/RasV12-eGFPマウスを用い、タモキシフェンの投与量を調節することによって、モザイク状にRas変異を発現誘導できるin vivo細胞競合モデルを世界に先駆けて開発した。このマウスを用いた解析の結果、正常細胞に囲まれたRas変異細胞が管腔側へ排除される様子をex vivo、in vivoの両系で観察した。続けて、APC遺伝子に変異を有するAPCminマウスを上記の細胞競合マウスと交配することによって、多段階の変異蓄積(APC→Ras)によるRas変異細胞の排除率の変化を検討した。その結果、APC変異上皮細胞層に出現したRas変異細胞の一部は基底膜を抜け間質組織へと進行・浸潤することを見出した。さらには、基底膜側へ進行したAPC/Ras二重変異細胞は絨毛上部間質内で増殖・拡張し、リンパ管への選択的な侵襲も認められた。この絨毛内間質のがん発生領域の周辺には腺腫様の病変は明らかでなかったことから、de novoがんを発症したと結論づけた。これらの結果より、APC変異により細胞競合のバランスが脱制御され、Ras変異細胞の一部が間質へと浸潤し、発がんすることが示された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular Biology of the Cell
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